家づくりの打合せはワクワクする場である一方、「どう伝えていいか分からない…」「後から“言った・言っていない”になったらイヤ」と不安になる方も多いものです。
実は、家づくりをスムーズに進めるカギは、難しい専門知識よりも“伝え方”が重要だったのです。
そこで今回は、住宅会社との打合せで希望をしっかり伝えるためのポイント、トラブル回避のためにあらかじめ気を付けておくポイントを分かりやすくまとめました。
これを読めば、初めての家づくりでも安心して打合せに臨めますよ。理想の家づくりを叶えるためのヒントとして、ぜひお役立てください。
<1>打合せ前に「希望の整理」をしておこう
家族の希望をMust/Better/Niceで分類し、優先順位をつけておきましょう。
■絶対に叶えたい「Must」
例:4LDK、家事動線、高断熱・高気密、耐震等級3・断熱性能等級6など
■できれば叶えたい「Better」
例:ワークスペース、広めの玄関、造作家具 など
■あればうれしい「Nice」
例:リビングに吹き抜け、ウッドデッキ、間接照明、外構植栽 など
家づくりは、希望を全部入れていくとあっという間に予算オーバーになります。
あらかじめ優先順位を決めておけば、「削減していい部分」と「絶対に守るべき部分」が明確になり、迷ったときの判断基準になります。
<2>伝え方のコツは「具体的 × 理由つき」
家づくりの際は住宅会社それぞれのやり方で、新しい家への要望や現在の暮らしについてヒアリングが行われます。そこである程度の希望はくみ取ってもらえますが、後悔のない家づくりとするためには、施主側からの伝え方にもコツがいります。希望を正確に伝えるためには、できるだけ具体的に、そして理由とセットで伝えるのがポイントです。
ヒアリングで抑えておくべきポイントと伝え方の具体例をご紹介します。
(1)理想とするイメージはビジュアルで共有
「開放的」や「ナチュラル」といった抽象的な表現での伝え方は、「こんなはずじゃなかった…」が起こる要因です。SNSや住宅雑誌などで参考写真を集め、ビジュアルを共有すると認識違いが減ります。また写真には「どこを良いと思ったのか」をメモしておくことで、さらに認識の解像度を上げることができます。

(2)現在の住まいの満足・不満を伝える
現在の住まいの満足・不満の背景には、「どんな暮らしをしたいか」「何にストレスを感じているか」が具体的に表れるため、家づくりの大きなヒントになります。
ヒアリングでは不満ポイントばかり伝えがちですが、満足ポイントも忘れずに伝えましょう。現在の住まいの満足ポイントが未来の家に引き継がれていないと、一転して強い不満感に繋がります。
満足・不満を詳細に伝えることで、ストレスの原因を確実に取り除き、現状の良いところを未来の家にも再現できます。
■満足ポイントの具体例
・南側の窓から光が入るので明るくて良い
・IHコンロなので掃除が楽
・外部収納があるため車用品が収納できる
■不満ポイントの具体例
・物干しスペースが2階にあり、洗濯物をもって2階に上がるのが大変
・玄関が狭く、家族で出かけるときに渋滞する
・冬がとにかく寒い、隙間風を感じる
(3)現在の生活スタイルや将来の変化の共有
現在の生活スタイルや将来の変化についての情報は、あなたの暮らしに本当にフィットする家をつくるために欠かせない情報です。できるだけ詳しく共有することで、最適なプランを提案しやすくなります。
■生活スタイルの具体例
・花粉症のため洗濯物の外干しは行わない
⇒室内干しスペースを確保
・共働きのため効率的な家事をしたい
⇒回遊動線、ロボット掃除機のため段差のないフロア
・夜勤があるため、日中でも安眠を確保したい
⇒寝室の防音、窓位置の配慮
■将来の変化の具体例
・在宅ワークに対応できるスペースが必要になるかも
⇒テレワークスペースの確保、コンセント配置
・親との同居、自分達の老後に備えたい
⇒バリアフリー、1階寝室として使えるスペース確保、将来的な間仕切り変更に対応できる構造設計
(4)目指す性能値とその理由
性能については「等級〇」にしたいと伝えれば安心と思いがちですが、それだけでは不十分です。なぜその性能が欲しいのかも併せて伝えておきましょう。
例えば「耐震等級3」を希望している場合、「地震に強い家にしてほしいから」なのか、「地震に強い家+保険の割引も受けたいから」なのかで、住宅会社の動きは変わってきます。
■地震に強い家にしてほしいから
住宅会社では耐震等級3を満たす家の設計を行いますが、プラン的にコストが大幅に上がってしまうような場合もあります。「耐震等級3」にこだわっているわけではなく、地震に強い家にしてほしいことを初めに伝えておけば、他のアプローチでコストを抑えて地震に強い家を実現することも可能です。
■地震に強い家+地震保険の割引も受けたいから
地震保険の割引には、第三者の審査を経て「耐震等級3」であることを証明してもらう必要があります。審査のための段取りが必要になりますし、審査費用等がプラスでかかってきます。
地震保険の割引適用のことを伝えていない場合、わざわざ手間と費用のかかる審査を受けていないことがあります。引渡し間近になって発覚すると、最悪割引の適用を受けることができません。
このように「なぜそうしたいか」という背景まで含めて伝えておくことが必要です。
(5)使いたい補助制度がある
活用希望の補助制度がある場合は、とにかく早めに伝えておきましょう。
今であれば「みらいエコ住宅2026」など全国的に行われている補助制度の場合はスムーズに進むかと思いますが、県や市が独自に行っている補助制度に関しては把握していない場合もあります。
また活用条件として、「他の補助制度との併用不可」や、「いつまでに申請」、「〇〇という証明書が必要」「工事前に採択されなければならない」など様々なルールがあります。
併用不可の補助制度の場合、制度の要件を満たすために係る費用と補助額を試算して、どちらがよりお得かを判断するための時間もいります。
早めに「〇〇市の〇〇制度を使いたいけど、みらいエコ住宅2026と併用可能ですか?」と聞いてみましょう。

<3>トラブル回避のために注意すべきポイント
新しい家での暮らしを思い描き楽しいはずの家づくり。ですが住宅会社とのトラブルが起こると、不安や疑問を抱えながらの家づくりになっていまいます。
トラブル回避のために注意すべきポイントを、実際に起こりやすい事例とともに3つご紹介します。
(1)「言った・言わない」問題を防ぐために、記録を残す
家づくりのトラブルで最も多いのが、口頭での約束が共有されていないことによる行き違いです。
■トラブル事例
「キッチンの高さは90cmでお願いしたはずなのに、標準の85cmで注文されていた」
「コンセントの場所を変更したつもりが、工事図面に反映されていなかった」
◆対策ポイント
・住宅会社がくれた議事録、資料は必ず確認する
・気になる点や変更点が反映されていない場合は、LINEやメールで早めに共有する
・不明点や分からない専門用語は曖昧にせず、その場で確認する
可視化された記録があると、双方で認識違いが起きにくくなり、結果としてストレスのない家づくりにつながります。
(2)追加費用の見落としに注意
家づくりでは、初回見積りはあくまで「概算」です。そのため、どこまでが標準仕様で、どこからがオプションなのかを曖昧にしてしまうとトラブルにつながります。お金のトラブルは、信頼関係を一気に崩します。
■トラブル事例
「外構費用は入っていないのに、入っていると思い込んでいた」
「断熱グレードを上げたら想定以上に高くなり、予算オーバー」
「照明・カーテンが別費用と知らず、追加で数十万円になった」
◆対策ポイント
・初回見積りに「含まれている項目」「含まれていない項目」を確認する
・標準仕様書を必ず受け取り、わからない点は質問する
・追加変更が出るたびに、都度の概算見積りを出してもらう
・金額が大きい部分(断熱・耐震・外構・設備)は細かく確認する
最終見積で追加費用がまとめて伝えられると、住宅会社への不信感にも繋がります。都度確認するなど事前に対策しておくことで、後悔や不安を大幅に減らせます。
(3)納期・スケジュールの把握不足
家づくりは工程が多く関係者も複数います。そのため、スケジュールの認識がずれると大きなトラブルに直結します。
■トラブル事例
「外構工事が遅れて、引き渡し日に入居できなかった」
「設備機器の決定が遅かったため納期が遅れ、工事が中断した」
「スケジュールがタイトすぎて、打合せ時間が足りず後悔」
◆対策ポイント
・住宅会社に「全体スケジュール表(工程表)」を出してもらう
・入居希望時期がある場合は最初に伝える(アパート更新期限、子供の入園・入学)
・打合せ期限(色決め・設備確定)を把握しておく
・納期がかかる設備(キッチン・窓・給湯器)は早めに決定する
スケジュールを共有しておくことで、「そんなつもりじゃなかった」を防ぎ、スムーズに家づくりを進められます。
家づくりは一生に何度もない大きなイベントです。分からないことや不安なことがあるのは当然です。
だからこそ、「希望を伝える工夫」と「打合せの進め方」が、完成後の満足度を大きく左右します。
今回ご紹介したポイントを意識して、住宅会社との家づくりをもっと楽しく、安心して進めていただければ幸いです。
<4>住宅の性能について詳しく知りたいなら、ウッドリンク・ラボに見に行こう!
今回のコラムでは、家づくりにおける「こんなはずじゃなかった…」をなくすための、認識を共有するためのポイントについてご紹介しましたが、言葉やビジュアルだけでは共有が難しいのが「断熱性能」です。
そして「断熱性能」を共有するための一番の方法は実際に体感してみることです。お勧めはモデルハウスやOB宅訪問ですが、全ての住宅会社で可能なわけではありません。
そこでご紹介したいのが、ウッドリンク・ラボです。ウッドリンク・ラボでは、断熱材や窓の断熱性能について、実物に触れながら比較体験したり、実物大のモデル住宅で快適性を体感することが可能です。
その他にも、耐震性や耐久性といった住宅性能の要となる項目について、実物に見たり触れたりしながら、分かりやすく学ぶことができます。
理想の家づくりを叶えるためのヒントとして、ウッドリンク・ラボをご活用ください。見学のご予約お待ちしております。