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木の住まいコラム

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なぜ今平屋が選ばれる?平屋の魅力を徹底解剖!

かつては「田舎の家」「高齢者向け」といったイメージが強かった平屋住宅。
しかし今、若い世代からシニア層まで幅広い世代に支持され、住宅選びの有力な選択肢として注目を集めています。シンプルで機能的な暮らしを求める人々の間で、「平屋」という住まい方が再評価されているのです。
なぜ今、平屋が選ばれているのでしょうか?その背景には、ライフスタイルの変化、家族構成の多様化、そして「住まいに求める価値」のシフトがあります。
今回は、そんな平屋の魅力をさまざまな角度から徹底解剖し、今選ばれている理由を探っていきます。是非最後までご覧ください。

 

<1>平屋はどれくらい選ばれている?

実際に家を建てる方のどのくらいが平屋を選んでいるのでしょうか。

新築一戸建てに占める平屋の割合

こちらは新築される住宅に占める平屋率の推移を表したグラフです。
平屋の比率は年々上昇しており、2024年には17%になっています。なんと6棟に1棟は平屋が選ばれているという結果です。
因みに2024年の平屋の平均戸当たり床面積は97.6㎡。かつての「田舎の大きな平屋」ではなく、「コンパクトで機能的な平屋」が多く建てられているようです。

 

<2>平屋が選ばれる理由とは?~社会的背景~

平屋がここまで注目されるのには、社会的要因が大きく関係しています。平屋が選ばれる理由を紐解いてみましょう。

①高齢化社会とバリアフリー住宅の需要

日本は世界でも有数の高齢化社会です。高齢者が安心して暮らせる住まいへのニーズが高まる中、階段のない平屋は、転倒リスクの軽減や介護のしやすさといった点で大きなメリットがあります。将来を見据えた「終の住処」として、若いうちから平屋を選ぶ人も増えています。

②核家族化とコンパクトな暮らし

家族構成の変化も、住まいの選び方に影響を与えています。核家族化が進み、2〜3人で暮らす世帯が増える中で、広すぎる家よりも、必要な機能がコンパクトにまとまった平屋が支持されるようになりました。

③建築単価の上昇とコスト意識の変化

建築資材の高騰や人件費の上昇により、住宅の建築コストは年々増加しています。
これにより、住宅購入者の間で「必要以上に広い家を建てるより、コンパクトで効率的な住まいを選びたい」という意識の変化が生まれています。家族構成の変化や生活スタイルの見直しにより、平屋でも十分な居住性を確保できるようにもなりました。それでも2階建てより割高ではありますが、「気持ち的には平屋がいい」と考えていた層が、現実的にも平屋を選べるようになったのです。
さらに平屋はメンテナンス性に優れており、長期的なライフサイクルコストの面でもメリットがあります。

④郊外・地方移住の増加と土地の選択肢

テレワークの普及や働き方の多様化により、都市部から郊外・地方への移住を選ぶ人が増えています。地方では比較的広い土地が手に入りやすく、平屋を建てるための条件が整っていることも人気の理由です。

 

<3>平屋住宅が持つ暮らしのメリット

次に平屋住宅の魅力をいくつかの視点からご紹介します。

①ワンフロアで完結する快適な生活動線

平屋の最大の特徴は、すべての生活空間がワンフロアに集約されていることです。階段の上り下りが不要なため、日々の家事や移動がスムーズになり、身体的な負担も軽減されます。洗濯、掃除、料理といった家事動線が効率的に設計できるため、忙しい子育て世代には非常に暮らしやすい住まいです。
また階段がないことで、年齢を重ねても安心して暮らせます。介護にも対応しやすく、長く住み続けられる家になります。

②家族のつながりを感じられる空間

平屋は、家族が同じフロアで生活することで、自然とコミュニケーションが生まれやすい環境になります。リビングを中心にした間取りにすることで、家族が集まりやすく、互いの気配を感じながら過ごすことができます。特に子どもが小さい家庭では、目が届きやすく安心感があります。

③デザインの自由度と開放感

平屋は構造上、天井を高くしたり、広い空間を確保しやすいという利点があります。吹き抜けや勾配天井、庭との一体感を持たせた設計など、開放感のある住まいづくりが可能です。

④大容量の太陽光パネルを設置できる

平均床面積が減少している中、2階建て住宅では屋根面積が小さく希望の発電量が得られないことがあります。平屋は屋根面積が大きくなるため、大容量の太陽光パネルが設置でき、発電量を最大化することが可能になります。

⑤メンテナンスがしやすい

外壁や屋根の高さが抑えられるため、点検や修繕の際の足場が不要または簡易で済み、メンテナンスコストを抑えることができます。

⑥地震・台風などの災害に強い

平屋は構造がシンプルで重心が低いため、地震の揺れに強く、倒壊リスクが少ない安心な住まいです。
また建物の高さが抑えられていることで、台風などの強風による影響も受けにくく、屋根や外壁の損傷リスクが軽減されます。

 

<4>平屋のデメリット

もちろんメリットだけではありません。平屋のデメリットを紹介しておきます。

①広い敷地が必要

コンパクトな平屋が増えていますが、それでも2階建てに比べると広い敷地が必要です。また車社会である北陸では駐車スペースも必要になります。平屋とする場合は郊外を選択肢に入れ、土地にかかる費用を抑えることも考えましょう。

②建築コストが割高になる

平屋は同じ床面積の2階建てに比べると、基礎と屋根の面積が増える分、坪単価が高くなる傾向があります。
ですがコスト削減も可能です。階段がいらなくなるため、その分の面積とコストは削れます。また廊下を無くせるプランも多く、無駄な床面積を減らすことで建築コストを2階建てに近づけることも十分可能です。

③プライバシーの確保が難しい

すべての部屋が1階にあるため、外からの視線が入りやすくなります。特に道路に面した敷地では、窓の配置や外構での目隠し等の工夫が必要です。

④日当たりの確保に工夫が必要

奥行きのある間取りでは中央部の部屋が暗くなりがちです。屋根の高さを変え、間の外壁に高窓をつけることで、住宅の中央部にも光を取り込むことができます。

平屋事例高窓

また屋根に周辺の建物の影がかかる場合は、太陽光パネルの発電量も影響を受けます。周辺建物によって日照がどのように制限されるか、事前によく確認してからプラン計画することが必要です。

 

<5>平屋住宅の構造的なメリット

では3章でふれた平屋住宅の構造的なメリットについて、もう少し深く掘り下げてみましょう。

①建物高さが低い(重心が低い)

平屋建ての最大の強みは、重心の低さにあります。地震の揺れによって建物にかかる力は、重心が高いほど大きくなり、倒れやすくなります。平屋は高さが低いため、揺れによる回転力(モーメント)が小さく、地震の力を受けにくい構造になっています。
また平屋は風を受ける面積が少ないため、強風による揺れやねじれが起きにくい構造でもあります。

②構造がシンプルで安定しやすい

複雑な形状の建物は地震の力が均等に分散されず、特定の部分に応力が集中して壊れやすくなります。また地震の揺れで家が倒壊しなかったとしても、家にはダメージが蓄積されてしまいます。
平屋は形がシンプルな箱型の建物が多く、地震の力が建物全体に均等に伝わりやすいため、構造体や土台部分にかかる地震の負担を減らすことができます。そのため長く安心に住むことができます。

③柱や壁の配置に自由度がある

平屋は上階の荷重がなく、屋根の重さだけを支える構造になります。そのため、柱や壁の配置に自由度があり、柱を減らして広い空間を確保しやすくなります。

このように平屋は、災害に強く、設計の自由度も高く、長期にわたって安心できる住まいの実現が可能です。

 

<6>平屋の構造のことなら、ウッドリンク・ラボに見に行こう!

構造的に安定し、地震にも強い平屋は、安心して長く暮らせる住まいと言えます。
しかし、こうした構造的な安心感を支えているのは、見えない部分、つまり「壁の強さ」にもあります。特に、建物の揺れや荷重に耐えるための耐力壁の種類や配置は、平屋の性能を左右する重要な要素です。ですが壁の種類や違いについて、自分で調べるのは大変なことですし、理解するにも限界があります。
そんな壁の種類や実際の強さについて、学べる施設があります。
それがウッドリンク・ラボです。

ウッドリンク・ラボでは、建ててからでは見ることのできない「耐力壁」の実物が確認でき、さらに壁の強さを実験した映像も見ることができます。この他に、断熱や耐久性といった住宅の重要な要素についても、実物に見たり触れたりしながら、分かりやすく学ぶことができます。
構造や耐震性についてさらに詳しく知りたいという方は、是非ウッドリンク・ラボへお越しください。家づくりのプロがあなたの疑問にお答えします。

 

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