GX志向型住宅が登場し、大きな話題となった「子育てグリーン住宅」の後継事業がついに発表になりました。その名も「みらいエコ住宅2026事業」です。略称は「Me住宅2026」。(「Me」は、Mirai Eco(未来エコ))
国が掲げる脱炭素戦略の一環として、環境性能の高い住宅を建てる人を強力にサポートする制度です。補助金の額、対象となる住宅の条件、申請のタイミングなど知っておくべきポイントを整理しました。
是非最後までお付き合いください。
<1>対象住宅と補助額
2026年事業も補助の対象となる住宅は、「GX志向型住宅」「長期優良住宅」「ZEH水準住宅」の3つです。GX志向型住宅は2025年事業より登場した住宅の水準で、ZEH水準住宅より、断熱性能・省エネ性能ともにワンランク高い基準の住宅となっています。
3つの住宅の要求性能と補助額を表にまとめてみました。

※2026年事業の新築住宅に対する予算は1,750億円ですが、現時点で「GX志向型住宅」、「長期優良住宅・ZEH水準住宅」に対する予算配分が発表されていません。
各住宅の省エネ要求性能については2025年事業と違いはありませんが、補助額が変わっています。
特にGX志向型住宅では、160万円⇒110万円と大きく減額となりました。
また寒冷地である1~4地域の補助額が一般地域に比べて高くなっています。寒冷地では断熱性能向上に要するコストが大きくなるためです。
<GX志向型住宅>
●太陽光発電設備が必須(※一部地域を除く)
基本的に太陽光発電設備が必須ですが、一部の地域に限っては太陽光発電設備を設置しなくても補助金の対象となることとなっています。
一部の地域とは下記の2つです。
①都市部狭小地 北側斜線制限の対象となる用途地域等であって、敷地面積が85㎡未満である土地
②多雪地域 垂直積雪量が100cm以上に該当する地域
北陸地域は基本的に「②多雪地域」に該当するため、太陽光発電設備を設置しなくてもOKです。ただし設置した方がよりGXの理念に沿うことになります。いうまでもなく家計的にもお得です。
●HEMS設置が必須
HEMSとは、家庭内の電気製品の使用量や稼働状況をモニター等で見える化し、エネルギーの一元管理を行うことができるシステムです。太陽光発電設備や、エネルギー消費の大きい暖冷房設備、給湯設備を繋ぎ自動制御することで、電力使用の最適化が可能となるものもあります。
<2>補助金活用の要件とは?
住宅の性能以外にも、いくつか要件があります。
①対象となる住宅
今回の補助金は、「注文住宅の新築」「新築分譲住宅の購入」「賃貸住宅の新築」をする場合に受け取ることができます。居住することを目的とした新築が条件となっているため、別荘は対象になりません。
②住宅の規模
補助金の対象となるのは、延べ面積が「50㎡以上240㎡以下」です。
③建設地
建設地が以下に該当する場合、補助の対象となりません。
・土砂災害特別警戒区域
・災害危険区域 (急傾斜地崩壊危険区域、又は地すべり防止区域と重複する区域に限る)
・都市再生特別措置法第88条第5項の規定により、当該住宅に係る届出をした者が同上第3講の規定による勧告に従わなかった旨が公表されたもの
・市街化調整区域 かつ 土砂災害警戒区域 または 浸水想定区域※
・災害危険区域 かつ 土砂災害警戒区域 または 浸水想定区域※
※洪水浸水想定区域又は高潮浸水想定区域における浸水想定高さ3m以上の区域
建設予定地が該当しているかどうかは、住宅会社に確認してもらいましょう。
④対象となる世帯
今回の補助金は、タイプごとに補助の対象となる世帯が異なります。
【GXタイプ】は全世帯が対象となります。
【子育てタイプ】は、子育て世帯、若者夫婦世帯限定となっています。
子育て世帯等に該当する世帯は次の通りです。

<3>補助金取得のためにすべきことは?
この補助金の申請は全て住宅会社が行います。補助金を活用したいとお考えなら、住宅会社に「みらいエコ住宅2026事業を使いたい」と伝えましょう。
既にプランや仕様を決めている場合は、現在の仕様でGX志向型住宅に該当するのか確認してもらいましょう。該当しない場合は、【子育てタイプ】の長期優良住宅かZEH水準住宅を活用するのか、仕様変更を行いGX志向型住宅のレベルまで引き上げるかの検討が必要です。
この場合、仕様変更に要する金額と補助金額を見比べる等が必要になります。
申請スケジュールについては未発表の部分が多いです。
今後発表されたら期限内の申請が行えるよう、住宅会社と協力して進めてください。
①対象工事への着手
令和7(2025)年11月28日以降に基礎工事を開始するものが対象です。
※2025年事業では、「対象工事への着手=基礎工事より後の工程の工事への着手」となっていました。2026年事業では変更となっているのでご注意ください。
②補助金の交付申請
交付申請開始時期は未定ですが、締め切りは2026年12月31日までです。
ただし予算の上限に達した場合は、その時点で締め切りとなります。
※ZEH水準住宅の注文住宅に関しては、2026年9月30日までとなっています。
③入居・完了報告
完了報告期限については未発表です。
最後に注意事項を一つ。
2026年事業の新築住宅に対する予算は1,750億円ですが、現時点で「GX志向型住宅」、「長期優良住宅・ZEH水準住宅」に対する予算配分が発表されていません。
2025年事業では補助額の高いGX志向型住宅の予算が早々に消化となりました。2026年事業でも同様の事態が想定されます。
補助金活用をお考えの場合は早めの申請をお勧めします。
またGX志向型住宅の予算消化後、ZEH水準住宅への切り替えを行う場合は、交付申請が9月30日締め切りになるという点も考慮し、あらかじめ長期優良住宅としておくこともご検討ください。
<4>補助金の詳しい情報を聞くなら、ウッドリンク・ラボへ行こう!
今回は110万円と高額な補助金で話題の「みらいエコ住宅2026事業」について解説しました。今まさに家づくりを進めている場合や、これから家づくりをスタートする場合は、是非活用することをお勧めします。住宅の性能レベルについて、GX志向型レベルまで引き上げるか迷っている場合は、一度検討してみてください。
ZEH水準住宅が補助金の対象となり数年が経ち、今では割とスタンダードな基準となってきました。
政府目標では2030年ZEH義務化を掲げているため、5年後には最低レベルがZEH水準、GX志向型住宅が当たり前の基準になっているかもしれません。
数年後に後悔しないような家づくりをお勧めします。
補助金内容についてもっと詳しい内容が聞きたい、建設予定の住宅がGX志向型住宅に該当するか知りたいという方は、是非ウッドリンク・ラボへお越しください。さらに詳しく解説します。
また今回は「住宅の新築」に限って解説しましたが、「既存住宅のリフォーム」を行う場合も補助金の対象となります。リフォームでの活用を検討する方は、今後公表になる事業のホームページで確認してみてください。