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木の住まいコラム

ずっと快適に暮らすために。長期優良住宅という選択肢

家づくりを考えるとき、多くの方が思い浮かべるのは「家族がずっと安心して暮らせる住まい」ではないでしょうか。地震への備えや光熱費の負担、将来のメンテナンスのことまで考えると、長く快適に住み続けられる家を選びたいという思いはますます強くなっています。
そんな今、国が一定の基準を満たす住宅として認定する「長期優良住宅」が注目を集めています。
最新の国土交通省の発表によると、新築戸建ての約4割が長期優良住宅として認定されています。
もはや「特別な家」ではなく、安心を求める多くのご家族が選ぶ、新しいスタンダードになりつつあります。

このコラムでは、長期優良住宅の魅力と、建てる際に知っておきたいポイントそして実際の普及状況まで、わかりやすくご紹介していきます。
ご家族の未来のために、知っておきたい内容ばかりです。どうぞ、家づくりの参考にしてみてください。

 

<1>長期優良住宅とは?まず知っておきたい基本

長期優良住宅とは、国が定めた一定の品質基準を満たし、「長く安心して住める」と認められた住宅のことです。
制度創設時、日本の住宅寿命は約30年と短く、建て替えによる廃棄物増加や資産価値の低下が課題となっていました。このような背景から、下記の目的で創設されたのが「長期優良住宅」です。

【目的】
・家を長持ちさせ、建替えの頻度を減らすことで、家計と環境の負担を軽減する
・地震に強く、メンテナンスしやすい安心の住まいを広げる
・長期的に価値の下がりにくい住宅ストックを増やす

認定基準の1つである「劣化対策」では、「構造躯体に数世代にわたって使用できるような耐久性」を求めています。この「数世代」というのは、一般的に「3世代、75〜90年程度」とされており、「世代を超えて住み継ぐための住宅」が長期優良住宅と言えます。

 

<2>長期優良住宅はどれくらい普及している?

国土交通省の最新発表(2024年度末時点)では、長期優良住宅は驚くほど普及しています。
新築戸建ての約4割が長期優良住宅として認定されており、5年連続で過去最高を更新しています。

長期優良住宅の認定実績の推移

「長期優良住宅=特別な家」という時代から、「標準的な選択肢」へと変化していることがわかります。

<3>長期優良住宅の“技術基準”を解説

認定には、国が定めた複数の項目で一定以上の性能をクリアする必要があります。

【主な技術基準】

長期優良住宅 技術基準

 

<劣化対策>

住宅で最も交換が難しく、建物寿命を決めるのは 構造躯体(基礎・土台・柱・梁など) です。構造躯体の劣化を防ぐために、防湿・防腐・防蟻対策や、床下・小屋裏の点検性が求められます。
また劣化を抑制できると、将来的なリフォームが設備交換や内装リフォームだけで済むようになります。劣化対策の強化は住まい手の生涯コストを減らすための基準でもあります。

 

<耐震性>

耐震性については「倒壊しない」だけでは不十分で、地震後も継続利用できるレベルが求められます。地震後の大規模修繕を避け損傷のレベルを減らすため、耐震等級2以上 を基準にしています。

 

<省エネルギー性>

長く使い続けるには、「夏冬の冷暖房費削減」「室温の安定化による健康改善」「住宅の結露・劣化リスクの低減」といった、住み心地や住宅の寿命に関する項目が重要です。
国はZEHの普及を強く推進していることから、省エネルギー性の基準は、2022年にZEH水準に引き上げられています。また2027年4月以降、ZEHの定義は「GX ZEH」へ移行を予定しており、長期優良住宅としての基準も、今後さらなる引き上げの可能性があります。

 

<維持管理・更新の容易性>

維持管理性が低い住宅だと、交換のために壁や床を壊す等の大規模な工事が必要になります。
維持管理基準は、構造躯体をできるだけ壊さずに、寿命が短い配管や内装・設備などを点検・補修・交換しやすくするための基準です。また点検しやすくすることで、老朽化による事故・漏水・腐朽を早期発見し、構造躯体の保全に繋がります。

 

<居住環境への配慮>

良質な住宅ストックを地域に長く残すことが目的のため、周辺地域の景観・街並み・地域ルールとの調和が必要となります。地域によって、高さや外観の色彩、屋根形状・外壁素材等について定めている場合があります。

 

<住戸面積>

狭すぎる住宅では長期にわたり良好な居住環境が維持できないため、最低限確保すべき床面積を定めています。

 

<維持保全計画>

良質な住宅ストックとして住み継いでいくためには、

・住宅が劣化しないよう定期的にチェック
・不具合が出れば早期に補修
・情報を記録して次の所有者にも引き継ぐ

ことが必要になります。
そのため維持保全計画では、「点検・修繕の計画を立て、記録を残していく」ことを事前に計画しておきます。

 

<災害配慮>

災害が激甚化・頻発化し、従来の長期優良住宅制度では災害リスクに十分対応できなくなったため、2022年の改正で追加された基準です。洪水・高潮・土砂災害などのリスクに対応するため、以下の基準が設けられました。

・災害危険区域 に該当する場合、原則として認定されません。
・洪水や高潮など、災害リスクが一定程度存在する区域に建てる場合は、リスクに応じた対策を講じた場合に限り認定可能です。

これら8つの基準を満たすことで、「長く快適に住み続けられる家」として国から認定されます。

 

<4>長期優良住宅を選ぶメリット

長期優良住宅の魅力は、性能だけではありません。暮らしや家計にも多くのメリットがあります。

 

  • メリット1:長く安心・快適に住める

高断熱・高耐震なため、地震時も安心で、冬暖かく・夏涼しい住まいが実現します。
またメンテナンスしやすいため、維持コストを抑え老後も住み続けやすい住宅です。

 

  • メリット2:資産価値が維持されやすい

長期優良住宅に認定された住宅は、性能が明確で点検や補修の履歴が残っていることから、中古市場で選ばれやすく、資産価値の下落が標準住宅より緩やかです。

 

  • メリット3:固定資産税などの税制優遇 ※2026年1月時点

長期優良住宅は、税制や金利優遇等のメリットが一般の住宅より明確に大きいです。

・住宅ローン控除(借入限度の上乗せ)
一般住宅より借入限度額が大きく、控除額が増えます。

投資型減税(現金取得者向け)
家を建てる際にかかった費用の一部を、所得税から控除できます。(一般住宅は不可)

・固定資産税の減額期間が延長
固定資産税1/2となる期間が一般住宅より2年延長されます。

・登録免許税の軽減
一般住宅より低い税率が適用されます。(保存登記・移転登記など)

・不動産取得税の控除額が増える
一般住宅より控除額が増額されます。

・【フラット35】S の金利引下げ対象
長期優良住宅は【フラット35S(金利Aプラン)】の対象となっており、当初5年間0.5%の金利引き下げが受けられます。

・地震保険料の割引
耐震等級2以上で地震保険料が30~50%割引されます。

 

  • メリット4:補助金の対象になりやすい

長期優良住宅は国の省エネ補助金の対象になることが多く、新築時の負担軽減になります。
2026年度事業である「みらいエコ住宅2026事業」でも対象となっており、75万円/戸の補助が受けられます。
ただし予算消化や、申請期間に間に合わなかった場合は補助が受けられなくなるため、注意が必要です。
※制度の詳しい内容はこちら

長期優良住宅は、住宅取得時の補助金や税制優遇に加えて、高い住宅性能と計画的なメンテナンスにより、長期にわたり快適かつ資産価値を維持しやすい点が特徴です。

 

<5>長期優良住宅の注意点

メリットが多い長期優良住宅ですが、実際に家づくりを進めるうえでは 「事前に知っておくべき注意点」 も存在します。

  • 申請するための時間と費用がかかる

長期優良住宅として認められるためには、設計した図面等を審査機関で審査し、認定される必要があります。この審査には一定の期間と審査費用が必要です。
またこの審査は工事が始まる前に完了しなければならないため、審査に時間がかかると工事開始が遅れることもあります。

 

  • 適切な維持管理が義務

長期優良住宅の認定を取得した住宅では、維持保全計画に従って点検・補修を行い、その記録を作成・保存していく必要があります。これらを実施しない場合は、将来的に価値が低下してしまう可能性があります。
適切な維持管理には建て主・住宅会社両者の協力が必要です。

 

  • 変更する場合は申請が必要

長期優良住宅の認定を取得した住宅を売却する場合、増築する場合、認定項目に関わるリフォームをする場合等は、変更申請が必要になります。申請せずに工事を進めた場合、認定が失効する可能性もありますので、事前に行政へ相談するようにしましょう。

 

このように、長期優良住宅には確かな価値とメリットがある一方で、手続きや維持管理に関するルールを理解しておく必要があります。建てて終わりではなく、「建てた後に良好な状態を維持していく」ことが大切です。

 

長期優良住宅は、単に「性能が高い家」ではなく、暮らしの安心・家計の負担軽減・資産としての価値保全のすべてを兼ね備えた、これからの住まいのスタンダードといえる住宅です。
これから家づくりを検討される方は、ぜひ長期優良住宅を選択肢に入れてみてください。未来の安心につながる「後悔しない選択」になることと思います。

 

<6>長期優良住宅について詳しく知りたいなら、ウッドリンク・ラボに見に行こう!

今回のコラムでは簡単にしか説明していない技術基準や認定制度について、もっと詳しく知りたいという方は、是非ウッドリンク・ラボへお越しください。長期優良住宅についてもっと詳しくご説明します。
制度の特徴を正しく知り、注意点を踏まえたうえで計画を進めることが、長く安心して暮らせる住まいづくりへの第一歩となります。
またウッドリンク・ラボでは、断熱性・耐震性・耐久性といった住宅性能の要となる項目について、実物に見たり触れたりしながら、分かりやすく学ぶことができます。家づくりの疑問点や不安点が一度に解消できるかもしれませんよ。興味のある方は是非お越しください。

 

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